催事について
こんにちは。
こんばんは。
おはようございます。
flyingsapceshipと申します。
こちらでは好きなもの、考えたことについて、私ならではの少ない語彙と拙い文章で書き殴っていくスタイルでお送りしています。
いよいよ明日から始まる。
『サロン・デュ・ショコラ』が始まる。
『サロン・デュ・ショコラ』はフランスで行われる、チョコレート職人の世界大会を兼ねた、チョコレートの祭典、またはチョコレートのフェスとも言える。
日本では、その祭典の大会受賞者のほか、チョコレートブランドがひとつの会場に集まり、世界中の美味しいチョコレートを購入できる。
日本での開催は2003年からだったらしい。
私が初めて会場に向かったのは2013年だ。その当時は新宿伊勢丹の催事場で行われていた。
人混みが苦手なので、もちろん平日の間昼間に行った。
催事場には、いくつものショーケースが規則的に並び、ブラウンを基調として様々な彩がなされたチョコレートがびっしりと並んでいた。
壮観だった。
驚いたのは、ショーケースの内側に立つのは、スタッフだけでなく、外国人と通訳人だ。
冒頭でも言ったように、フランスの本大会での受賞者である職人本人が、日本の狭い会場に来て販売しているのだ。
時には、チョコレートの箱にサインもしてくれる。
それだけでなく、やはり場所が新宿伊勢丹だ。
ふわふわの毛並のコート、ブランドバッグ、艶々の肌をもった『マダム』たちが、職人本人と日本語訳不要で談笑しながら、ゆったりとチョコレートを選んでいた。
見たことが無い世界だった。世間知らずな私は、こんなに平和な買い物があるだろうか、と思った。
しかも、新宿伊勢丹の催事場は6階で、中国人で賑わうのは主に1階から3階くらいまでで、しかも6階はベビーのフロアであるため、とても静かだ。
催事場から離れて入口を見ると、わずかに穏やかな笑い声が聞こえる程度だ。
だからと言って、商況として、活気がないわけではない。
普通の販売スタッフが、とても丁寧に販売してくれる。
確かにチョコレートの大会受賞と言っても、日本になじみのあるブランドばかりではないし、知らない人のほうが多い。なにより、1粒500円ほどするチョコレートだ。
ブランドと商品両方の、価値を高める説明と接客で気持ちの後押しをしてくれる。
1粒500円前後のチョコレートだが、箱だと3000円から5000円程度で、一箱にさまざまな工夫を凝らした数種のチョコレートが詰まった夢の箱だ。
もちろん贅沢だ。やりすぎだ。
ただ、本来なら海外や日本国内でも遠方でしか買えないはずチョコレートが、年に1度、その場で選べるのだ。
しかも、その会場では知らなくても、どのチョコレートを選んでも、はずれに出会う確率は非常に低い。購入のハードルは低くなる。
だが、2014年に異常な混雑を見せた『サロン・デュ・ショコラ』は、2015年より会場を伊勢丹の催事場では手狭と判断したのか、集客アップを狙ったのか、別会場で行うようになった。
2014年の異常な混雑は、ひとつのブランドに「勘違いした人間」が大量に殺到し、ショーケースの内側のスタッフが圧死しそうなくらいの地獄になった。
とあるアイドルが主演するドラマの、原作漫画とコラボレーションしたチョコレートがあったのだ。予想はできるし、ファンならば購入したい気持ちがあるのはわかる。
しかしながら、なぜ、まともに並ぶこともできないのか。犬も躾けられればできるのに。その様子を別のブランドの列から、唖然と見ていた私に、隣に並んでいた、毎年来ているというマダムが話しかけてきた。
「なんだか、すごくこわい状態になっちゃったわね…」
マダムはとても悲しそうだった。
私も悲しかった。
そして、会場を移した2015年。
私は有給をすべてそこで消化し、毎日行った。計算していただけで、8万円使った。
ただ、やはりそこでも「勘違いした人間」を目にした。
会場が大きくなった分、やはり客層の幅が広がったともいえるのだろう。
そこで販売されるチョコレートは基本的に、その会場で販売できる数が終了したら、「売り切れ」なのだ。催事なのだから、当然といえば当然だ。
だから、事前に全国の本屋で、ムック本が販売されるのだ。
私はそのムック本を購入した上で、欲しいものを決め、売り切れ予想を立てて、どの順番で購入するかを決めて向かっていた。
あまりこの喩は好きではないのだが、私がやっていることは『コミケ』の準備に似ているのではないだろうか。販売品が食品であるため、環境はあそこまで過酷ではないが。
とあるブランドの列にいると、私の3人ほど前に並んでいる女性が、会場スタッフを呼び止めた。
「ねぇこの列、いったいどれだけ待たせるの?」と、それに畳み掛けるように、「さっき、なにか売り切れたってスタッフの人が言っていたけどどれ?」と声を荒げた。
私は「不思議な質問だな」と思った。購入できないと決定したものを、購入するために並んでいる今、知ってどうするんだろう。なにが残っているのかを訊けばいいのに。私が相変わらず、ぼうっと考えていると、女性のヒステリックな声が聞こえてきた。
「これだけ待たせておいて、買えないってどういうことよ!私の時間返してくれる!?」
すごいな、どこでそんな神対応を受けたことがあるんだろう。誰が時間を返せるのか。まさに神なのか。神社か寺ではやっているのかな?と、またくだらないことに考えを巡らせて、そんなクソババアの存在を消去した。
2013年とのギャップで、また落ち込んだ。
2016年は友人と行ったので、あまり強硬な並びには参加しなかったが、明らかに前年より客数は増えていた。家族連れやカップルが、とても多くなっていた。
私はそれを見て思った。
「来場者数に対して、絶対下がってる」
主催と販売者が疲弊するだけになるのではないかと思った。
2017年は有楽町での開催だった。私は行かないことにした。
確実に、インフルエンザかなんかしらの感染症に遭うと思ったからだ。
当日Twitterで検索して、会場の画像を見たら、「行かなくて良かった」と思った。
2018年はまた、2015年、2016年と同じ会場に戻ってくる。
そして、今回は初めての入場チケット制になった。
しかも、2014年に異常な混雑を引き起こしたコラボレーションボックスが復刻する。
集客率に対する、商品点数、単価を確実なものにしてきた。
客層の保障はできないが、素晴らしいと思う。
今年の会場の様子はもちろん気になるが、残念ながら私は今年行けない。
行けない予定だ。
なぜなら、8万円使う余裕がないからだ。
年に一度の大イベントだ。
参加するなら、万全の態勢で臨みたい。
新たな施策で、2013年のあの頃の雰囲気が少しでも戻るならば、また次を期待したい。
今年はひとまず、新宿以外の伊勢丹でチョコレートを1箱2箱程度、漁るだろう。
去年と今年参加していない私が言うのも信憑性が低そうだが、私が特に好きなチョコレートで関東では普段購入できない(たぶん)のは、以下のブランドだ。
・エス コヤマ
京都の素材を使ったチョコレートがすごい。焼き菓子も美味しい。
・オテル・デュ・キャップ=エデン=ロック
フルーツとチョコレートの合わせは苦手だったけど、ここのはすごく好きになった。
18個入りの箱はかなりおすすめ。
・ヴァンサン・ゲルレ
パッケージデザインが苦手だったけど、サクサク系がすごく美味しい。
入場チケット代を支払うくらいなら、この辺りは1箱ずつでも抑えたい。
ぜひ、行ってみようかな、と考えている方は参考にしていただけると嬉しい。
普段の買い物と違う体験、商況の観察、日常のテンションでは手を出さないチョコレートに挑戦、などなど、新しいことがたくさん待っていると思う。
本日も読んでいただきありがとうございます。
愛しています。