ひとり卒業旅行について
こんにちは。
こんばんは。
おはようございます。
flyingsapceshipと申します。
こちらでは考えたことについて、私ならではの少ない語彙と拙い文章で書き殴っていくスタイルでお送りしています。
どうやら私は人に比べて、旅行の経験が極端に少ないらしい。
高校3年生までで、学校行事、親族の家以外で泊まりで出かけた記憶は、1回か2回で、どちらも県内だ。
高校を卒業してからの春休みに、友人6人とディズニーリゾートのどこかのホテルに泊まって卒業旅行をしたのが、友人と初めての自主旅行だったと思う。
その高校の友人たちとは、20歳の頃に大阪と伊豆にも行った。
大学では友達が2人いたが、その2人は友達がたくさんいたので、別で卒業旅行をしていたし、それで良いと思う。
ただ、大学を卒業し、アルバイトを辞め、社会人になるまでの休みに、1日だけ日帰りで『ひとり卒業旅行』をした。
そもそも、アルバイトを辞める少し前に別大学でリアルを充実している同級生に
「会社入るまでの休み、どこか行ったりするの?」
と訊かれたことが始まりだった。
当然だが「何も予定はないから休む」と答えた。
「えっ?!卒業旅行とか…、あっ、友達いないんだっけ」
「○○さんはどこか卒業旅行するの?」
「(海外)に彼女と行くよ!友達とは(海外2)の予定組んでる!えー、どこにも行かないのもったいないよー!今しか自由な時間無いんだよー?」
「じゃあ箱根行くわ、自由に、ひとりで」
「えっ…(ドン引き」
なんでだよ。ぜってぇ行ってやるわ。
どこかに『卒業旅行』なるものをして、学生時代が完結するものと思い込んでいる人間が一定数いるのも知っているし、(たぶん)楽しいに決まっている。
そういった輩に逐一『もったいないよー!』と言いながら、ハシャぐ姿を見せられるのはある意味社会に出る直前の試練なのかもしれないが、ストレス回避のスキルを得ることも必要だ。
とにかくすりゃあ黙るだろ、というところだ。
これが俺の卒業旅行だ、と。
アルバイトを辞め、入社式まで数日しかなかったが、その貴重な1日を費やして行った旅行だ。
まずは計画を完遂することが目的だった。
そもそも大学卒業、就職が決定したばかりの人間には、ギチギチに詰められた花畑が脳味噌にあるものだ。仕方ない。それまで、就活だ、単位だ、と迫り来るものしかなかったのだから、その開放感溢れる姿には目を瞑るのが優しさだ。
しかし、そんな人間同士で旅行の計画を立てているときは、誰に聞いても、直前になってなにかしらのトラブルが起き、大なり小なり鬼や夜叉が現れるらしい。
女は我儘を言い出し、男は面倒くさくなり、主催者は精神が崩壊するらしい。
レベルが高すぎる。
ひとりでスムーズに立てた計画なのだから、ひとりで完遂することは旅の大きな意義になると考えた。
『箱根スイーツフェスティバル』はご存知だろうか。
簡単に言うと、箱根各社の飲食店で季節のスイーツを提供するものである。
箱根旅行者にできるだけ、たくさんの土地で消費をしてもらうためだ。
私はそのイベントに則って、数カ所をめぐることにした。
その道のりの間に、2カ所、どこかその時思いついた寄り道をしよう、と決めた。
ほぼ無計画だが、スタンプラリーのようなつもりで向かった。
せっかく無駄に移動時間もあるし、おしゃべりを楽しむ相手もいないため、文庫本を数冊持って、鈍行で時間をかけて向かった。
それまで、忙しくしていて、じっくり本を読む時間もなかったのでかなり充実した無駄時間だった。
箱根について公共交通機関の乗り放題パスポートを買い、山上のほう、仙石原へ向かった。
ただの山の中の野原だ。
しかし、この時は一面雪だった。
バスでこの場所に降りた客は、私だけだった。
バスが去ったのを確認した後、雪野原に飛び込んだ。
「ああああああああ!!」
山の中の、誰もいないことを良いことに、雪の中で汗をかくまでめちゃくちゃ暴れた。
この頃も少し、頭がやられていたんだと思う。
あのクソみたいな大学にもう行かなくていい安堵と、会社に勤めるという不安がない交ぜになった、ただの22歳だ。
それなりに仕方ないとも言える。
次のバスが来た頃にはやめて、再びバスに乗って、今度は目的のスイーツを巡った。
途中に、美術館と彫刻の森に行き、最後に駅の近くで、そばを食べた。
それでおしまい。
計画通りだった。
トラブルも無く、充足感に満ちて帰路に着いた。
本当に充実した、友人の大切を再認識できた卒業旅行を経験した人からすれば、
「は?」
が素直な感想だろう。
でも、私にとってはきっと必要な時間だった。
社会人になってからは、今思い出せないので、会社行事以外で泊まりで旅行はしたことが無い。
会社行事で行く旅行は、まぁ、仕事もあるが、なにもしなくても宿泊施設がある程度の保証がされるところは嬉しいところだ。
ちなみに、パスポートは持っている。
運転免許証が無いからだ。
ただ、一度も使うことなく、10年目の更新が近づいている。
なんの旅の記録もつけることなく、携帯しているパスポートだ。
私の身分は充分過ぎるほどに証明してくれる。
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
愛しています。