宇宙船と砂漠で足跡

こんにちは。 こんばんは。 おはようございます。 flyingsapceshipと申します。 こちらのはてなブログでは好きなもの、きらいなもの、気になるもの、考えたことがあれば、私ならではの少ない語彙と拙い文章による書置きスタイルでお送りしようと考えています。

誰も知らない招待客

こんにちは。

こんばんは。

おはようございます。

flyingsapceshipと申します。

こちらでは好きなもの、きらいなもの、気になるもの、考えたことがあれば、私ならではの少ない語彙と拙い文章で書き殴っていくスタイルでお送りしています。

 

大学3年の冬まで、大学で初対面からの友達はいなかった。

 

だが、大学3年の冬以降、友達は2人、できている。

そのうちの1人、Aちゃんの結婚式に出席させていただいた。卒業後も何度かふたりで会っていて、結婚相手の話なども聞いていた。

 

Aちゃんとは、ゼミを決め始める頃に仲良くなった。

友達はいないが、それを恥ずかしいとかいたたまれないとか、そういった感情は既に失われていた私は、学食ではいつも独りでおにぎりやベビースターを無心で齧っていた。大学3年ともなると、友達がいなくても、なんとなく、目立つグループの顔はわかってくる。Aちゃんはそのうちのひとりだった。

私はただ単に常に独りだったが、Aちゃんは授業の空き時間や授業の後など、ときどきひとりでいる時もあった。特に人といっしょに授業をとるなどはしてなかったかららしい。同じ時間にお互い一人でいるのを見かけていたので、挨拶から始まり、段々と話すようになって仲良くなった。

 

そんなわけで、Aちゃんの結婚式の席では、私は『ゼミ仲間』ではなく『大学の友達』の席に加わることになった。

そこには私の2人目の大学の友達、Kちゃんと私を隣同士に配置してあった。正直、ゼミの席であったら誰とも話すことがないのでこの席で正解ではあった。

ただ、同じ卓の他の数名は、全員、例の「目立つグループ」の人間だった。卒業してから数年経っていたが、私は「あぁ、あの子達だ」と、顔を見てすぐ思い出せた。

彼らはお互いの顔を見て、「久しぶり!」と楽しそうに談笑していた。ひと段落すると、彼らは私とKちゃんのほうにも、なんとなく挨拶をしてくれた。

実は、Kちゃんは他学部なのだ。そのため、その彼らにKちゃんが、Aちゃんとの関係を踏まえて挨拶すると「へー!Aちゃんは顔広いね!」なんて盛り上がった。

 

私はその時、すでに運ばれてきていた前菜に手をつけていた。別にがっついているわけではない。結婚式というのは、次々と料理が運ばれてくる。その流れもプログラムとタイムスケジュールに組み込まれているので、皿が卓にひしめいたり、サーブの人が一々食後なのか確認するのもロスになるのだ。大事な友人の結婚式で、たとえ「スタッフにとって」であっても迷惑にはなりたくないのだ。あと、美味しいうちに食べたいからだ。

 

サクサクと皿の中身を片付けていると、待ちきれないとばかりに、とうとうひとりが私に手のひらを向けて尋ねてきた。

「あのぅ、そちらの方は、Aちゃんとはどういう…?」

見知った顔ばかりだったので、私も自己紹介をしなければいけないことをすっかり忘れていた。

 

私「あ、私も文学部の○○ゼミです」

 

するとKちゃん以外の全員が、「えっ!?」と声を上げて驚いた。

「そうなの?1年のとき何組?」

私「○組で、(目立つ人だと)○○くんとか○○ちゃんとかと同じだった」

「え?じゃあ絶対知ってるはずなんだけど」

私「Aちゃんとはゼミより、○○学食でよく話してて仲良くなったかな」

「○○学食なら俺もAちゃんと話してたけど、えー?」

「Aちゃんとは卒業後も会ってたの?」

私「つい最近一回会って、その時に結婚のこと教えてもらった」

「めっちゃ仲良いじゃん」

「えーでも、ごめん、全然思い出せない…」

「俺も…はじめましてかと」

私「でも私はみんなの顔わかるよ(^ν^)」

「えっ??そうなの?」

「えっ??」

私「私、友達いなかったから(^ν^)」

「えー?うそぉ?あははは……」

「………」

 

 

 

みんな根が優しいお坊っちゃんやお嬢様なので、その後その卓で大学の思い出話はでなくなった。

 

それに、Aちゃんがいつも以上に綺麗で幸せそうだったので、みんな、そんなことは忘れて過ごした。

 

結婚式は、みんな笑顔になるから好きだ。なるべくならば、参加したい。ごはんも美味しいし。

 

本日も読んでいただき、ありがとうございます。

愛しています。