Q&Aについて
こんにちは。
こんばんは。
おはようございます。
flyingsapceshipと申します。
こちらでは好きなもの、きらいなもの、気になるもの、考えたことがあれば、私ならではの少ない語彙と拙い文章で書き殴っていくスタイルでお送りしています。
中学生から高校生の間でよく読んでいたのは、恩田陸作品だ。
薄暗くて、ひっそりと冷たい靄がたちこめるような、雰囲気が好きだ。
また、人間を断片的描かず、多面的に描いていくところも特に好きだ。人間を簡単に善と悪に分断しない。
『その人間』は『その人間』で、どう感じるか、どう見るかは読者次第だ。
昔、書評かあとがきか忘れたが、誰かが『恩田陸は読者を信頼している』と表していたのを覚えている。
今まで読んだどの作品も、先に述べた静謐な印象から、読むと衝撃と衝動で溢れていて、表紙や本の半分からは読み込めない読後感がある。
自称・読書が得意でない同級生も、こんなふうになるなら読んでみたくもなる、と言っていた。
しかし、1番脳髄を揺さぶられて、読み終わった後に、本に対して生まれて初めて「読むんじゃなかったーッ…!」という感想を持ったのが『Q&A』だ。
これは高校生の時に読んだ。それから読んでない。
それでも、今でも読んだ時の恐怖感というか、足元が覚束なくなるような不安定な気持ちは忘れられない。
内容は、きっと現代ならどこにでも起きる可能性がある大きな事故から始まる。その事故の関係者とのQ&Aだけで、物語は進む。
会話劇というシンプルな展開のなか繰り広げられる、『人間の全部』は必要以上に生々しく肌理細かい。
Q&Aの文体はとても読みやすいので、油断してどんどん読んでしまう。不安定な沼に足を入れていても気付かないまま、最後まで読んで、本を閉じた時に息が詰まっていたことに気付くような、そういう感覚が得られる。
全部読み終わって、後悔したあとも、しばらくは『Q&A』のことばかり考えてしまっていた。
しかも、当時は次に同著者の『ユージニア』を読んだ。
脳の花畑を散らされるような、柔らかいところに硫酸を流されるような気持ちになるので、気が向いたらセットで読んでほしい。
きっと、どこかのアトラクションを体験したような時間になれると思う。
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
愛しています。