肉について
こんにちは。
こんばんは。
おはようございます。
flyingsapceshipと申します。
こちらでは好きなもの、考えたことを、私ならではの少ない語彙と拙い文章で書き殴っていくスタイルでお送りしています。
肉は元気になる食べ物だ。
私も食肉はわりと好きなほうだ。
鶏豚牛はもちろん、羊肉、特にラム肉は好物と公言している。
ただし、子供時代から今現在に至るまで、『肉を食べる予定』はそれだけで特別だ。
贅沢な日になる。
ちなみに今書いてみて、子供時代の肉についての思い出を探してみたら、おそらく一般家庭でもなかなかに貧しい。
19歳くらいのころ、高校からの友人2人とデパートにあるリーズナブルなステーキ屋に一緒に行った。
外食でステーキを食べる経験がほとんどなく、どれを頼んでいいかわからなかった。
そのため、実家で母が出してくれたことがある『サイコロステーキ』を頼んだ。
そこで食べたサイコロステーキが柔らかく、肉の味がしっかり感じられて美味しかった。
その感動を食卓を供にしている友人に伝えたかったのだろう。
「サイコロステーキなのに硬くないね!やわらかいね!」
友人2人の手が止まった。
今ならわかるが、ステーキをサイコロ状に切ったから『サイコロステーキ』なのだ。
当時母が出す『サイコロステーキ』の意味は『サイコロのように四角くて硬い』からだと思っていたのだ。
そしてまた別の日に、その2人のうちのひとりと遊んでいて、友人がそろそろ食事をしようと提案した。
友人は「肉が食べたいなぁ」と、思ったことをそのまま言った。
明確になにを食べたいかまで考えていなかった私は、それを採用した。
「よし、じゃあ肉まんとかどうかな」
友人はバケモノでも見ているかのような脅えた目でこちらを見返してきた。
安心してほしい。これも今ならわかる。
『肉まん』は肉が食べたい時に食べる食べ物ではない。
いくら肉が贅沢なものだとしても、ずいぶん酷い。
残酷ながら、大人になるほど『自分の家庭の食卓常識』=『自分の家庭の内々の事情』の客観的な姿がはっきりと見えてくる。
台所事情、という言葉があるくらいだ。
そんな可哀想な私が『ラム肉』などと調子づくようになったのは、その友人たちとのやりとりで恥をかいたと思ったからではない。
逆だ。
友人2人はそれから何かと肉にまつわる外食に連れて行って、『ほら、これが肉だぞ』と私を食育してくれたのだ。
私自身も『肉は硬くない』から『肉はいろいろあって美味しい』の認識に切り替わった。
そのうえ、なんの因果か学生時代の半分は、高級しゃぶしゃぶ店で扶養控除額をオーバーするまでアルバイトをしていた。
しゃぶしゃぶ店では美しく旨い牛肉をたくさん頂いた。
旨いだけではない。美しいのだ。
さすがに卒業の頃には食べ飽きていたが、一番美味しい肉をもっとも頻繁に食べていた時期だ。
ラム肉に出会ったのは就職してからだ。
酒も飲めないくせに上司について行ったキリンシティの『ラム肉のロースト』だ。
今でもそうだが、食べると脳がバグる。
旨すぎて脳がバグるのだ。
目をつぶって口に含むと何を食べているのかわからなくなるので、目を開けて皿の上の肉の姿を見て正気に戻る。
それを繰り返す。
その後たびたびキリンシティに向かう上司を見つけては、ついていき、酒が飲めない肩身の狭さなど一切切り捨てラム肉を大事に食べ、なおかつ他の人にも強く推奨した。
全員脳がバグったので、上司が全額払ってくれることもあった。
また中学時代の友人たちとバーベキューをやったときには、肉専門店に注文してラムチョップをブロックで持って行った。
私の本気度を見て全員引いていた。
だが、ラムチョップを食べればもれなく全員脳がバグるので問題なかった。
ここで発見したのが、ラムチョップは火加減適当な素人のバーベキューでも美味しく焼けるということだ。
表面パリッと中はしっとり柔らかく、歯ごたえもある。
そんな肉を食べたら当然脳が幸せを消化しきれない。バグらないわけがない。
そうだろ?
しかしながら、牛も羊も、鶏や豚に比べるとカジュアルな頻度で食べられるものではない。
特に牛は、手軽にスーパーで購入できるが、私が自宅で焼くと本来の美味しさを最大限に引き出せる保証は無いと踏んでいる。
そんな『ただ焼け』という自炊にも成功のイメージが見えない私のためか、自宅の近くには肉が美味しい店が複数ある。
つい先日は近所に住む友人とあの有名な『いきなりステーキ』に向かった。
塊の肉は久々だ。
漫画で読んだ話だが、牛肉を食べた時だけ、アナンダマイドというものが脳に分泌されているらしい。
多幸感を引き出すものだ。
『いきなりステーキ』では、私のために私のための肉を切ってもらい、私が食べるための肉を焼いてくれるところまで見られる。
人に全部やってもらえて初めて、牛肉の美味しさと多幸感が最大限に発揮されるのでは?と思った。
肉の繊維1本1に生命力を感じながら味わった。
力強い牛の肉を頂いた。
ここまで牛と羊の肉の話しかしてない。
『口に含んだだけで脳がバグる上に多幸感でいっぱいになる』と実際耳にしたら違法なものである可能性が高い。
肉は人をキマらせるには充分すぎる。
ちなみに私は去年の夏から消化力が低下しているため、胃腸のコンディションを最高の状態にしてから肉に挑むことになった。
『いきなりステーキ』に次に行くのは、また胃腸が最高になったときになるだろう。
キリンシティは財布の状態が最高になったときになる。
それがいつになるのか、どうしたらそうなるのかは皆目わからない。この世はポイズンだからだ。
羊肉についてはテンションに任せるしかない。
テンションがいい感じに仕上がった奴から『ラム肉のロースト』を食べて欲しい。
嫉妬で気が狂う前に、私も向かうだろう。
本日も読んでいただきありがとうございます。
愛しています。